Vol.5 No.208  (1998年11月04日  水曜日)

アジア・太平洋人権教育国際会議、内外の専門家が討議し「大阪宣言」採択へ

国連が世界人権宣言を採択してから50周年となるのを記念し、アジア・太平洋地域における人権教育をさらに発展させることを目的とする「アジア・太平洋人権教育国際会議」が、11月25−27日、大阪市天王寺区の大阪国際交流センターで開催される。国連人権高等弁務官事務所、ユネスコ、ユニセフなどの国際機関の代表者や、アメリカ、イギリス、インド、オーストラリア、フィリピンなどの専門家が参加する。
会議では、95年から2004年までの間取り組まれる「人権教育のための国連10年」の、現在までの評価と今後の課題や、アジア・太平洋地域での人権を普遍的に実現するための方策について討議される。最終日の27日には、同会議の成果を世界にアピールする「大阪宣言」が採択される予定。
そのほか大阪府下の各地域においても「対話と交流のための特別プログラム」として、海外からの参加者を招いての対話集会が行われる。

陶石に酵母を付着させ、有機排水を処理するシステムを開発、滋賀の2研究所

日本発酵機構余呉研究所は、滋賀県工業技術総合センターと共同で、陶石に酵母を付着させ、有機排水を処理する新しいシステムを開発した。全国的に排水の水質規制が強化されたことから、澱粉質、蛋白質、脂質などの物質を含む水を排出する小規模な清酒メーカーや豆腐製造業者向けに開発を進めていたもの。
従来の微生物による活性汚泥法の排水処理施設は、建設費が1,000万円以上するうえ運転管理にも人手が必要で、小規模な食品製造業者が導入するのは難しかった。新システムは、従来の半分程度の費用で設置でき、人手もかからない。蛋白質などを分解する酵母が付着しやすいよう、琵琶湖の湖底泥をリサイクル利用して作った多孔性の陶石を使っているのが特徴で、高濃度の有機排水にも対応できる。
実験室レベルの清酒製造時における洗米排水のデータでは、排水1リットルあたり1,000ミリグラムあるBOD(生物化学的酸素要求量:微生物が有機物を酸化分解するのに必要な酸素量を示す汚濁指標)が、酵母処理によって200−300ミリグラムに、さらに別処理を加えることで70ミリグラム以下にすることができる。

神戸で「テクノオーシャン'98」、海洋・港湾関連技術の国際見本市やシンポジウムなど

海洋・港湾関連の科学技術・情報の交流を目的とする「テクノオーシャン'98」が、神戸国際展示場で11月25−27日に開催される。86年の第1回以降隔年開催されており、今回で7回目。
国際海洋年でもある今年は「21世紀の扉を開く海洋−人類と海との共生を探る」がテーマ。国際見本市は油濁防除技術・機器などが出展される「国際海洋・環境展」、港湾建設技術や物流システムなど「国際港湾・物流展」、大学・研究機関の最新技術・情報が提供される「学術研究団体展」で構成、約3万人の来場を見込んでいる。
また「共生と持続可能性−海域・沿岸域の恵みを受けて」をテーマとする国際シンポジウムでは、11カ国から138の講演・論文が発表される予定。その他、記念講演会やセミナーなども開催される。

京都で「APEC環境技術交流バーチャルセンター」のワークショップ、13カ国・地域が参加

インターネットを活用した環境技術の交流促進を目的とした「APEC環境技術交流バーチャルセンター・ワークショップ」が、11月17−19日、京都市下京区のリーガロイヤルホテル京都で開催される。アジア太平洋経済協力会議(APEC)に加盟している18カ国・地域のうち、13カ国・地域の代表者が参加する予定。
95年のAPEC大阪会議において、各国が有する環境技術情報を発信する「バーチャルセンター」を開設することが提案され、現在、APECの正式共同研究事業として取組みが進められている。すでに日本では96年4月に、オーストラリア、台湾ではともに今年5月に開設されている。今年11月にはニュージーランドで、また99年以降2001年4月までの間にはタイ、フィリピン、韓国、マレーシア、インドネシアでも順次開設されることとなっており、現在準備が進められている。
「ワークショップ」では、各国のバーチャルセンターを結んだネットワークの活用方法や、情報提供の分類・検索機能の互換性確保などについて話し合う。APEC環境技術交流バーチャルセンター(日本)は、http://www.apec-vc.or.jp/。

日本最大のアウトレットモールが来年3月オープン、アジア太平洋トレードセンターに

年間700万人を集客するアジア太平洋トレードセンター(ATC:大阪市住之江区南港)に来年3月、大規模アウトレットモールがオープンする。アウトレットは、メーカーが在庫品や時期遅れになった製品を中心に、低価格で販売する流通業の新形態で、80年代にアメリカで始まったもの。
ATCの4−6階に開設されるのは「タウンアウトレットATC(仮称)」。延床面積は12,000平方メートルで、今年9月にオープンした「横浜ベイサイドマリーナ」の10,600平方メートルを上回る、日本最大規模のアウトレットモールとなる。輸入ファッション、カジュアルウェア、スポーツ、アウトドアなど50のテナントで構成、有名ブランドやファッション性の高いブランドを揃える予定で、年間入場者を250万人、初年度売上を70億円と見込んでいる。

ナンニ・モレッティ監督らを迎え「第5回大阪ヨーロッパ映画祭」、海遊館ホールで

大阪ヨーロッパ映画祭 5年目を迎える「大阪ヨーロッパ映画祭」が11月20−24日、大阪市港区の海遊館ホールで開催される。
今年は、ヨーロッパでカリスマ的な人気を誇り、「モレッティアーニ」と呼ばれる熱狂的なファンが存在することでも知られているナンニ・モレッティ監督を名誉委員長に迎え、今年のカンヌ映画祭にも正式出品され話題となった最新作「エイプリル」を含む、同監督の全7作品を特集として上映する。
またジャン・ルー・ユベール監督作品など長編3本、短編5本のフランス映画が「日本におけるフランス年」特別プログラムとして、さらにポルトガルの巨匠マノエル・デ・オリヴェイラ監督作品などヨーロッパ各国の厳選された5作品が上映される。
そのほかナンニ・モレッティ 、ジャン・ルー・ユベールをはじめとするヨーロッパの監督・女優7人がゲスト参加するディスカッションも行われる。

Kansai in Focus: 2000年−福井に夢とロマンを誘う恐竜博物館が完成し、エキスポを盛大に

太古のむかし、恐竜はなぜ大繁栄し、なぜ滅んでいったか−恐竜の化石が相次いでみつかっている福井県勝山市に2000年夏、恐竜研究の世界的な拠点となる県立恐竜博物館(仮称)が完成、これに合わせて「恐竜エキスポふくい2000」が同7月20日−9月17日の60日間にわたり開催される。事業規模約40億円、60万人の入場を見込んでいる。
福井市街から車で東へ1時間、九頭竜川上流の勝山市北谷町の地層、手取層群(約1億2-3,000万年前、中生代白亜紀前期)を中心に、福井県ではこれまでにドロマエオサウルス科の子供など計8種類1,300点の恐竜化石がみつかっている。これは日本で発掘された恐竜化石の約8割にあたる。
恐竜博物館が建設されるのは、発掘現場から車で20分の長尾山総合公園内で、地上3階、地下1階、敷地面積3万平方メートル、ステンレスの屋根で覆われた卵型の恐竜ホールと鉄筋コンクリートのウイング棟で構成される。
入口は研修室や実験室などがあるウイング棟の3階にできる。地下1階の恐竜ホールには、恐竜以前の太古の海の動物化石を展示。1階の「恐竜の時代」ゾーンには、実物大の動く恐竜ロボットを配置した恐竜の森があり、ここは映画「ジュラシックパーク」の世界。その恐竜の森を見下ろしながらスロープを伝い、2階に上がると「地球史展示」ゾーンが広がる。ここでは生命や地球環境の歴史を年代順に学ぶことができる。楽しみながら学ぶ−「恐竜エキスポふくい2000」と同様の基本コンセプトである。
そのエキスポのメイン会場は恐竜博物館を核として4ゾーンからなる。メインゲート付近の「ひと・交流」ゾーンは花壇やイベント広場。人工の火山、洞窟などを配置する「恐竜・発見」ゾーンでは、自然史の世界をアミューズメント感覚で体験できる。「地域・発信」ゾーンには民間出展のパビリオンや催し会場があり、福井の伝統産業を国際的レベルに押し上げることで21世紀の地域のあり方を提言。会場西側の飛び地に設置する「時代・創造ゾーン」では、巨大生物の森が体験型のオープンパビリオンとなる。これら4ゾーンは全長800メートルの「恐竜街道」で結ばれる。恐竜街道では、恐竜と遭遇するアトラクションも。
それにしても、福井はなぜ「恐竜王国」なのか。推論がある。この辺りは大陸東岸の河口に位置していた。川は火山活動や洪水でダイナミックに変動した。恐竜の通り道、あるいは恐竜の死体が流れつく川底でもあった・・・。一方、恐竜絶滅のナゾ。巨大隕石の衝突で、塵やガスが半年間も太陽光を遮った。大陸移動で気候が変化した。火山の大爆発で植物が枯れた・・・。
恐竜博物館とエキスポは、恐竜興亡のナゾと生態系の神秘を、宇宙レベルで今に語りかける。(H)